労働基準法物語 > 第97条〜第103条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(労働基準法物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
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労働基準法第97条〜第103条 (平成23年12月3日登録)
(監督機関の職員等)
第九十七条 労働基準主管局(厚生労働省の内部部局として置かれる局で労働条件及び労働者の保護に関する事務を所掌するものをいう。以下同じ。)、都道府県労働局及び労働基準監督署に労働基準監督官を置くほか、厚生労働省令で定める必要な職員を置くことができる。
(2) 労働基準主管局の局長(以下「労働基準主管局長」という。)、都道府県労働局長及び労働基準監督署長は、労働基準監督官をもつてこれに充てる。
(3) 労働基準監督官の資格及び任免に関する事項は、政令で定める。
(4) 厚生労働省に、政令で定めるところにより、労働基準監督官分限審議会を置くことができる。
(5) 労働基準監督官を罷免するには、労働基準監督官分限審議会の同意を必要とする。
(6) 前二項に定めるもののほか、労働基準監督官分限審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第九十八条 削除
(労働基準主管局長等の権限)
第九十九条 労働基準主管局長は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、都道府県労働局長を指揮監督し、労働基準に関する法令の制定改廃、労働基準監督官の任免教養、監督方法についての規程の制定及び調整、監督年報の作成並びに労働政策審議会及び労働基準監督官分限審議会に関する事項(労働政策審議会に関する事項については、労働条件及び労働者の保護に関するものに限る。)その他この法律の施行に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。
(2) 都道府県労働局長は、労働基準主管局長の指揮監督を受けて、管内の労働基準監督署長を指揮監督し、監督方法の調整に関する事項その他この法律の施行に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。
(3) 労働基準監督署長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、この法律に基く臨検、尋問、許可、認定、審査、仲裁その他この法律の実施に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。
(4) 労働基準主管局長及び都道府県労働局長は、下級官庁の権限を自ら行い、又は所属の労働基準監督官をして行わせることができる。
(女性主管局長の権限)
第百条 厚生労働省の女性主管局長(厚生労働省の内部部局として置かれる局で女性労働者の特性に係る労働問題に関する事務を所掌するものの局長をいう。以下同じ。)は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、この法律中女性に特殊の規定の制定、改廃及び解釈に関する事項をつかさどり、その施行に関する事項については、労働基準主管局長及びその下級の官庁の長に勧告を行うとともに、労働基準主管局長が、その下級の官庁に対して行う指揮監督について援助を与える。
(2) 女性主管局長は、自ら又はその指定する所属官吏をして、女性に関し労働基準主管局若しくはその下級の官庁又はその所属官吏の行つた監督その他に関する文書を閲覧し、又は閲覧せしめることができる。
(3) 第百一条及び第百五条の規定は、女性主管局長又はその指定する所属官吏が、この法律中女性に特殊の規定の施行に関して行う調査の場合に、これを準用する。
(労働基準監督官の権限)
第百一条 労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。
(2) 前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。
第百二条 労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。
第百三条 労働者を就業させる事業の附属寄宿舎が、安全及び衛生に関して定められた基準に反し、且つ労働者に急迫した危険がある場合においては、労働基準監督官は、第九十六条の三の規定による行政官庁の権限を即時に行うことができる。
物語
(労働基準主管局長等の権限・労働基準監督官の権限)
…… 副題 わがままな労働者 ……
第75話
静子 : わたし、解雇されました。 労働基準法違反で、訴えます。
労働基準監督官 : 詳しく、事情をお伺いしましょう。
延々2時間話しを聞いたものの、埒が明かず。 監督官は、会社に電話することに。
社長 : 私は、解雇なんてしてませんよ。 同じ敷地内の、事務から工場勤務に配置転換を命じただけですよ。 最近、受注が急増したため、事務から応援を出すことにしたんですよ。 ちなみに、彼女は正社員で、職種限定ではありませんよ。
労働基準監督官 : やっぱり、解雇とは言えませんね。 職種限定ということなら、配置転換無効の主張はできますが… 貴方の場合、そういうことでもありませんし…
静子 : 私は、事務職で就職したんですよ。 工場勤務なんて、いやなんです。 私に、辞めろ、って言ってるのと、同じじゃないですかっ! 労働基準法違反じゃないですかっ! あなたは、不誠実です。 上司を呼んでくださいっ!!
主任労働基準監督官 : 会社は、解雇はしていない、と言っています。 解雇の場合は、解雇予告手続が必要ですが、そもそも、あなたは解雇されていません。 労働基準法違反とは言えません。
静子 : もういいですっ!!!
静子は、労働基準監督官の指揮監督機関である、労働局に電話しました。
労働局 : 配置転換命令だけですと、労働基準法違反とは、言えませんね。 あなたに、配置転換を拒む理由がおありなら、社長に事情を話してみましょう。
静子 : なんで、あなた方から、社長に注意してくれないんですかぁ?! どいつもこいつも、使い物にならない。 私が、労働基準法違反だ、って言ってんだから、てめえら、ちゃんと調べろよっ! 税金泥棒っ!!
静子は、労働局の監督官庁である厚生労働省に電話することに。
静子 : みんな、言ってることが違うんですよ。 労働基準法とか、監督署とか、労働局とか、労働者の味方じゃないんですかぁ?
厚生労働省 : 事情は分かりました。 私の方から、労働局と労働基準監督署に電話を入れておきます。 ですので、少し時間が経ったら、また、お電話してみていただけますか?
労働行政に不審をいだいた静子さん。
警察に行っても、弁護士事務所に行ってみても、相手にされず……
っと、社会保険労務士事務所の看板が目に入りました。
おせっかい親父 : なるほど… それでは、労働局企画室にお願いしてみますか。
不当な配置転換、と主張し、労働局長の助言・指導を申請。
労働局から会社に口頭助言を行いましたが、これも不調に終わりました。
ってなわけで、結局、静子さんは、自分から会社を辞め、次は、労働局にあっせん申請しましたが、会社は参加を拒否しました。
おせっかい親父、正義の味方の、腕のいい弁護士つけて、裁判で徹底的に戦ってやるっ!!
なお、まことに勝手ながら、労働基準法94条〜96条の2は割愛させていただきました。
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あるべき対応
わがままな労働者対応(副題対応)
最近、こうした困った労働者が増える傾向にあります。 先日見た、『現代型うつ』とは違った形で、現れるものです。 甘やかされて育ってきた、というのがその原因のひとつです。
対応は、毅然たる対応をとるか、あるいは柔らかに対応するか、です。 放置は、もっともよくありません。
柔らかな対応としては、火災訓練のように、2人の従業員が対で向かい合って、片方がわがままなこと(できれば、業務に関連すること)を言い、他方がこれに答える。 次に役割を交代して、またやってみる。 余裕があれば、コンビを変えて、順繰りやってみる。 こうした訓練を積むことにより、わがままの主体・客体の気づきを促すのです。 このような方法があります。 一年に一度ほど実施してみると、効果があったりします。
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今後の対策
上記のトレーニングの方法を、面接時に導入してみることも、一考です。 基本的には『採用の自由』の原則が働きますので、入り口の段階でシャットアウトできれば、一番効果的です。
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