労働基準法物語 > 第92条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(労働基準法物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
労働トラブルの未然防止のため、就業規則を作りましょう。
弊事務所オリジナル就業規則をベースにした就業規則を、格安にてご提供中です。
労働基準法第92条 (平成23年11月30日登録)
(法令及び労働協約との関係)
第九十二条 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。
(2) 行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。
物語
(法令及び労働協約との関係)
第73話
おせっかい親父 : すいません。 シミが落ちていないんですけど…
クリーニング店 : はあ。 え〜と。 お客さんのは、お返ししてから10日経っていますね。 1週間経つと、クレームはお受けできませんが。
店の奥で、なにやら、怪しい気配が…
ミキ : お給料、少なすぎません? 全然、残業代が付いていないじゃないですかぁ!
店長 : 入社時に、誓約書にサインしただろ。 給料は、基本給のみなんだよ。 それでオッケーってとこに、チェックも入れたじゃないか。 誓約書を守れない奴は、辞めてもらうだけだ。 就業規則にも、誓約書違反の場合は、辞めてもらう、って書いてある。 この退職願を書いて、出て行けっ!
ミキ : 警察署に訴えますよっ!
店長 : 勝手にしろっ! 相手にしてもらえないよっ!!
おせっかい親父 : すいません、店長。 シミが落ちてないんですけど…
店長 : 警察でもどこでも行けっ! …… あっ、すいません。 言うことを聞かない従業員を注意していたもので… でも、何で、ズカズカ入ってくるんですかぁ?!
おせっかい親父 : ちょっと、声が聞こえたものでな。 残業代が付いていない、っとか…
店長 : 彼女も、誓約書にサインしたんですよ。 残業代はいらないって。 それで、後出しジャンケンみたいに、馬鹿なことを言ってくるから、警告したんですよ。 誓約書に違反したら、解雇、っていう就業規則があるんですが、罪一等減じて、自主退職の道を選んでいただこうと。
ミキ : 親父さん。 知ってます? このお店、クリーニングのお水、雨水なんですよ。 裏庭の貯水槽の水なんですが、全然手入れしてないんですよ。 見てもらえれば分かりますよ。 もう、ドロドロっ!!
店長 : お客様の前で、何を言ってるんだっ! ええい、クビだっ!
おせっかい親父 : 道理で、なんかワイシャツが黄ばんだような… 店長、労働基準法92条って知ってますかな? 就業規則は、法令…に反してはならない、って書いてあるんじゃが。
店長 : 誓約書に違反したら解雇。 なんで、これが法令違反なんだ! 妙な言いがかりは、止めてくれないかっ!! お客さん、警察官?
おせっかい親父 : 警察官ではない。 誓約書の内容がいかん、ということじゃ。 仮に、残業代を放棄したとしても、民事的には有効かも知れんが、刑事的には違法となるんじゃよ。 たとえば、歩行者が青信号で横断歩道を渡っていたとする。 そこに、横から赤信号でトラックがやってきた。 『あっ 危ないぃ〜 ギャぁぁ”ぁ”〜 ドッカ〜ン!!』 ……… トラックは、すんでのところでハンドルを切り、電信棒に突っ込んで止まった…… 歩行者は無傷。 『危ないじゃないか!』 『ゴメンゴメン。 ちょっと考え事してて……』 『まあ、いいや。 気をつけてよ!』 ってなことで、当事者間では解決、ということになるかもしらんが、そこにおまわりさんがいたら、それこそ『ゴメン』じゃ済まないじゃろ。 最低でも、信号無視で青切符が切られる。 それと、おんなじことじゃよ。
店長 : あぁ。 気分が悪い。 今日は店じまいだ。 二人とも、さっさと出て行け!
ってなわけで、ミキは、親父の勧めで、労働基準監督署に申告することに。
おせっかい親父、いや、クソ親父! あんたは、うちの客でなくて結構。 金輪際、出入り禁止だ!!
☆彡★彡☆彡★彡☆彡★彡☆彡★彡☆彡★彡☆彡★彡
労働トラブルの未然防止のため、就業規則を作りましょう。
弊事務所オリジナル就業規則をベースにした就業規則を、格安にてご提供中です。
あるべき対応
いわゆる、サービス残業の問題です。
最悪の対応です。 監督署からしぼられること、必定です。 場合によっては、送検も覚悟しなければなりません。
従業員からこのような指摘があり、法的にどうなのか、不明なときは、監督署や専門家(社会保険労務士・弁護士)への確認が必要です。 勝手に決め込んではなりません。
労働トラブルの未然防止のため、就業規則を作りましょう。
弊事務所オリジナル就業規則をベースにした就業規則を、格安にてご提供中です。
今後の対策
業種・職種等によっては、事実上、残業時間管理が非常に困難となること等があります。 このとき、その態様によって、様々な法制度を用いて、対応できるか、慎重に検討します。
Q.具体的は、どうしたらいい?
A.それこそケースバイケースであり、簡単ではありません。
ご相談をお待ちしております
労働トラブルの未然防止のため、就業規則を作りましょう。
弊事務所オリジナル就業規則をベースにした就業規則を、格安にてご提供中です。
無料電話相談・お問い合わせ (就業規則・労働トラブル相談)
■無料電話相談労使双方から、就業規則・労働トラブルに関して、一回15分まで無料で電話相談をお受けしています。
15分を超えますと、有料となります。
対応時間は、ページトップ記載のとおりです。
■お問い合わせ(無料)
対応時間は、ページトップ記載のとおりです。