労働基準法物語 > 第90条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(労働基準法物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
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労働基準法第90条 (平成23年10月26日登録)
(作成の手続)
第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
(2) 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。
物語
(就業規則作成の手続)
第71話
前回までのパソコン教室の物語の続きではありませんので、ご注意を!!
先代の社長が急死し、息子が大企業を辞めて、急遽社長に就任した中小企業。
フミヤ : 何を二人でこそこそやってるんですか?
二代目社長 : 社則の相談だよ。
フミヤ : 社則? 就業規則のことですか?
二代目社長 : … うん、就業規則だ。
フミヤ : それなら、労働基準法90条で、『過半数労働者の意見を聴かなければならない。』と言っているじゃないですか?!
二代目社長 : …
おせっかい親父 : フミヤ君。 確かに、君の言うとおりじゃ。 今は、会社側提示の就業規則案の作成に取り掛かっているところじゃ。 これが出来上がったら、過半数労働者の意見を、社長から聴いてもらうことになっちょる。
フミヤ : その前に、ボクらの意見も聴いてくださいよ!
おせっかい親父 : 法的には、今のタイミングだと、その必要はないんじゃが…
二代目社長 : ちょっと待った。 別に、二人でこそこそやってるわけではないよ。 いいだろう。 フミヤの意見を聴こう。
フミヤ : ボク達の総意で、ボクらの創意工夫を、取り入れる努力をして欲しい、ということですよ。
社長 : その点は、私も分かっている。 先代の親父が、ワンマンだったからね。 今、親父と相談して、君らの改善提案を取り入れて、社の発展に結びつけよう、という制度の導入を検討しているところだ。
フミヤ : … ありがとうございます。 期待してますよ。
社長 : フミヤの話は、父から聞いていたよ。 相当、悩んでいたね。 五月蝿い奴だって。 そんな奴が、私は好きなんだよ。 私も、大企業で色々、意見を言っていたら、すっかり、干されたのでね。 なので、私も、君に期待してるんだよ。 フミヤの意見が直に聴けて、よかった。 君にも、就業規則策定プロジェクトに参画してもらおう!(表現が、やはり、大企業出身者ですね!)
ってなわけで、しっかり者の二代目社長とフミヤに感服した親父。
おせっかい親父、感心しているだけではなくて、きちんと、お願いしますよ!!
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あるべき対応
労働基準法(第90条)的には、労働者代表の意見聴取は、会社が就業規則を作成した後でも構いません。 また、全面的な反対意見でもOKです。 合意書とは異なるからです。
ただし、不利益変更となるような場合は、労働契約法第10条の要件を充たさないときは、労働契約法9条により無効となります。
刑事罰の適用はなくても、民事的には無効となる、ということです。
本事案でも、労働者代表との交渉が、有効・無効の行方を大きく左右します(労働契約法第10条参照)。
《参考》
労働契約法
第九条
使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。
第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。
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今後の対策
就業規則の不利益変更は、上記のとおり、非常にハードルの高いものになってしまいますので、初版の内容がとても重要ということになります。
初版の作成・変更いずれの場合でも、専門家への相談をおすすめします。
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