労働基準法物語 > 第36条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(労働基準法物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
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労働基準法第36条 (平成23年8月2日登録)
(時間外及び休日の労働)
第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。
(2) 厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
(3) 第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
(4) 行政官庁は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
物語
(時間外及び休日の労働)
第37話
社長 : 佐藤君。 ここに君の名前を書いておくれ。 印鑑は、君から預かっているのでわしが押しておく。
佐藤課長 : え〜と。 この36協定の従業員代表というところですね。 う〜ん… 1日5時間、月45時間で、年間360時間の残業か… 部下にも相談しないと…
社長 : 業務命令じゃ。 従わないと、元の係長に格下げじゃ。
佐藤課長 : わっ、分かりました。 …… これでよろしいでしょうか?
おせっかい親父 : ちょっと待った。 それは、時間外労働・休日労働に関する協定書じゃな。 労働基準法第32条で、1週40時間、1日8時間までと労働時間の長さが決まっちょる。 また、労働基準法第35条で、1週間に1日以上の休日が必要と決まっちょる。 ただし、就業規則で、法定労働時間を超えて、また法定休日に労働させることができる、というような決まりを設けて、なおかつ36協定を締結して労働基準監督署に提出し労働者に周知させれば、一定の時間、時間外労働をさせ、休出を命ずることができる。 労働者の過半数代表と使用者との協定ってことで、まず、労働者の過半数代表は民主的方法により選出しなければならん。 社長が指名してはならん。 また、部下を持つ課長となると、『使用者』の立場になる。 そうすると、社長と課長が協定、ってことで、使用者同士が協定したことになってしまう。 これじゃあ、有効な36協定とは、おおよそ言えんな。
社長 : 去年は佐藤君の前任の鈴木課長に、あっ今は鈴木部長だが、彼にお願いしたが、労働基準監督署も、なんとも言っておらんかったぞ!!
おせっかい親父 : それは、監督署の見落としですな。
ってなわけで、社長はしぶしぶ引き下がることに… その後、従業員代表が推薦によって選出され、なおかつ労働時間は1日3時間、1ヶ月30時間、1年間300時間まで、また法定休日出勤は月1日限り、との協定が締結されたのでした。
おせっかい親父、もう、ほっといてくれ!!
いいや、そうはいかん!!
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あるべき対応
名目的に課長であっても、実質的には非管理職であればOKです。 たとえば、建設元請の建設現場で、労働者が一人しかおらず、しかも外部に向けて管理の必要上管理職的肩書きが付されていることがよくあります。 このとき、内部的には一般職の扱いを受けていれば、OKということです。
また、監督署も人の子ですので、見落としはあります。 よく、監督署の窓口で、『去年もこれで受けてもらっている。』などと、大声で食らいつく場面に遭遇しますが、大変大人げない行為ですので、決してこうしたことはなさらないようにしましょう。 大概は、助け舟を出してくれますので、これにうまく乗りましょう。
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今後の対策
管理職以外に労働者がいるのであれば、なるべく一般職(非管理職)を選任してもらいましょう。 職名欄には、『一般職』(あるいは、『主任』・『係長』等)のように明確に記述してもらいます。 仮に名目上の管理職が選任されたときは、職名欄には、『課長(非管理職)』というふうに記述してもらいます。
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