労働基準法物語 > 第21条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(就業規則物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
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労働基準法第21条 (平成23年7月8日登録)
(解雇予告の適用除外)
第二十一条 前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
一 日日雇い入れられる者
二 二箇月以内の期間を定めて使用される者
三 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
四 試の使用期間中の者
物語
第22話
社長 : (電話)おい、どうした? 身体の調子でも悪いのか?
従業員 : いいや。 ふっふ。なんだよ、社長。 なんか、文句でもあんのか?
社長 : この2日間、出てこないじゃないか。 心配してるんだよ。
従業員 : くだらねぇ仕事なんかしてられねえよ。
社長 : なんだ、その口の利き方はっ。 もう、お前はクビだっ!!
従業員 : へっへっへ。 社長、だったら解雇予告手当よこせよっ! 文句あるんだったら、労働基準監督署にでも、相談してみいやっ!
− 困った社長は、労働基準監督署に出かけました。 −
労働基準監督署 : 従業員君を雇入れて、ちょうど2週間経った次の日から、出てこなくなったわけですね? そうしますと、解雇予告が必要となります。
社長 : うちの就業規則では、試用期間中の解雇は解雇予告などしないで解雇できる、となっていますが…
労働基準監督署 : よく労働基準法第21条を読んでください。 確かに、第4号で試の使用期間中の者は、解雇予告なく解雇できる、というようにも読めますが、『第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。』とも書いてありますよね? ですので、解雇予告が必要となります。
社長 : おお、いいところに親父が来た。 なんとかならないかね?
おせっかい親父 : やられましたな。 社長。 解雇予告が必要になりますな。 2週間過ぎての即時解雇となれば、30日分の平均賃金を支払わなければならんのじゃよ。
労働基準法は、労働者保護の観点からできていますが、こうした不具合も起こり得ます。 労働基準監督署は、こうした有難くないリピーターもやってきますが、法律の適用上、いかんともし難いことも事実です。
ってなわけで、社長は高い授業料を払ったのでした。
おせっかい親父、もう少し早くあんたに相談すればよかった……
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あるべき対応
うかつにも、『解雇』という言葉を使ってしまったときは、ただちに取り消しましょう。 ただし、取り消しに関して相手方の同意が必要です。
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今後の対策
とくかく、安易に『解雇』という言葉は使わないようにしましょう。
『もし○○だったら解雇する。』や『辞めてくれないか。』であれば、まだ救える余地があります。 なぜならば、前者は、条件付解雇、となっていますが、労働基準法上は無条件の解雇でなければ解雇とはいえないからです。 また、後者は、相手方からの退職の申し出を促している、と見えるからです。 いわゆる、退職勧奨です。
また、助成金との関係で、解雇や退職勧奨は会社に不利益に働くことがありますので、注意が必要です。
専門家へのご相談をおすすめします。
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