労働基準法物語 > 第18条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(就業規則物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
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労働基準法第18条 (平成23年7月3日登録)
(強制貯金)
第十八条 使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。
(2) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない。
(3) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない。
(4) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利子が、金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して厚生労働省令で定める利率による利子を下るときは、その厚生労働省令で定める利率による利子をつけたものとみなす。
(5) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。
(6) 使用者が前項の規定に違反した場合において、当該貯蓄金の管理を継続することが労働者の利益を著しく害すると認められるときは、行政官庁は、使用者に対して、その必要な限度の範囲内で、当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができる。
(7) 前項の規定により貯蓄金の管理を中止すべきことを命ぜられた使用者は、遅滞なく、その管理に係る貯蓄金を労働者に返還しなければならない。
物語
第18話
従業員 : 俺って、金遣い荒いから、通帳とカードを預かっといて、って社長に頼んですよ。 そしたら、断られて…
社長 : だって、労働基準法第18条に、ややこしいことが書いてあるでしょ。 なんで、やっかいなもんで…
おせっかい親父 : この条文は、会社が労働者から賃金を預かって、流用しないように、ってな趣旨で設けられたんじゃよ。
社長 : 戦前、そんな話もあったな…
おせっかい親父 : あんたも、古い人じゃな…
社長 : 親父ほどじゃあ、ないよ。
おせっかい親父 : わしは、あんたより若いよ。 こう見えてもな。
(実際のおせっかい親父は、10歳くらい若く見られています。もちろん、全然戦後生まれです。)
社長 : それで、通帳とカードの保管については、どうなってるかね?
おせっかい親父 : 通帳保管は、このややこしい規定は適用外となっとる。
従業員 : お願いします。 また、昨日パチスロで5万円すっちゃいました。 たまに勝つけど、月トータルだと、結局マイナス…
社長 : そうか… よし分かった。 通帳とカードを預かる。 でも、それよりも、親に預けておけばいいじゃんけ?! 俺も何しでかすか分からんから、印鑑と暗証番号はお前がちゃんと管理しとけや。
ってなわけで、心配性の社長は最低の生活費と、1ヶ月のパチスロ原資金3万円だけ手渡し、通帳とカードを預かることにしました。 今は、銀行の貸金庫に大事に保管しています。
おせっかい親父、ありがとう!!
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あるべき対応
かつて、足止め策として、強制貯蓄が行われました。 これを回避するためのきまりです。 したがって、労働者側からの真意によるものであれば規制されません。 通帳保管であれば、異邦ではありません。
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今後の対策
親御さん等親族による通帳保管の方が、無難でしょう。 会社が保管する場合は、法令上の定めはありませんが、トラブル回避のため、個別の文書により明確にしたほうがいいでしょう。
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