労働基準法物語 > 第17条
労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
労働基準監督署による是正勧告・指導票にも対応いたします。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(就業規則物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。
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労働基準法第17条 (平成23年7月2日登録)
(前借金相殺の禁止)
第十七条 使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。
物語
第17話
従業員 : 社長、2年間お世話になりました。 東京のいいところ、悪いところが分かりました。 田舎に帰ります…
社長 : ええぇぇっっ!! まじっすか? 俺、ショック。 そうなると… お前にはアパートの礼金・敷金・半年分の家賃を貸してあったな。 全部で、えーっと…90万円か。 そのうち、ちゃらにしようと思っていたんだが、2年で辞めるとなると、倍額の180万円を支払ってもらうよ。 とりあえず、今度の給料はゼロだ。
従業員 : そんなぁ〜
おせっかい親父 : じゃ〜ん。 おせっかい親父の登場じゃ。
社長 : 360万円払え、っとか言ってよ。
おせっかい親父 : 賃金との相殺が不当な足止め策目的、ってなことになると、労働基準法第17条に違反することになるよ。
社長 : ってか、まじ、俺ショックで… こいつには期待してたんでね… 俺も歳だし、会社の半分を分けようかな、って思ってたんだよ…
従業員 : 社長ぉぉ 俺はなんてことを… 社長の気持ちも知らないで… もう少し、頑張ります。
ってなわけで、従業員君は、もう少し東京で頑張ることにしました。
おせっかい親父、ありがとう!!
後日談
従業員君は、社長の一人娘とめでたく結ばれ、今では若社長として会社を発展させています。 社長も、家業を継ぐことができ、老後を安心して迎えることができました。
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あるべき対応
前借金や損害賠償について、賃金との相殺が問題とされる場合があります。 本条は、前借金との相殺に関してさだられています。 禁止されているのは、使用者側からの相殺です。 労働者側からの相殺は禁止されていません。 ただし、実質的に使用者側からの相殺と見られる場合やあらかじめ合意により相殺するとした場合(相殺契約)は、禁止されています。 本事例のような場合で、労働者側からの賃金との相殺の申し出がないときは、返済計画について、よく話し合いましょう。
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今後の対策
前借金を手交する時点で、足止め策と取られない限りで、合理的な約定をすべきです。 月々返済してもらう場合は、一度賃金は全額支払い、その上で返済を受けるようにしましょう。
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