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労働基準法物語 > 第1条

労働基準法物語は、具体的な労働トラブルを労働基準法の条文ごとにご紹介した物語です。
労働トラブルが発生すると、どこからともなく現れる『おせっかい親父』。
そんな『おせっかい親父』が、労働トラブルを解決していきます。
こうした場面に直面したときの『あるべき対応』と『今後の対策』もあわせて紹介しています。
就業規則作成・見直し・運用のためにも、参考になります。
逐次追加していきますので、ブログのようにお読みになっていただければ幸いです。
(就業規則物語は、以前ブログにて展開していたものに、加筆・訂正したものです。)
無断転載・転用を禁止します。

労働基準法第1条 (平成23年6月19日登録)

(労働条件の原則)
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

物語


第1話

従業員 : 社長、こんな給料では、生活くるしいっすよ。 なんとかなりませんか? ほら、労働基準法第1条第1項にも、労働条件は人たるに値する生活を営むための必要を充たさなきゃならない、って書いてあるじゃありませんか! 月15万円じゃ、アパート代と光熱費と食事代でほとんど飛んじゃいますよ。 とても、人たるに値する生活なんて、できたもんじゃない! 監督署に訴えてやるっ!

社長 : あのねぇ。会社だって厳しいんだよ。 俺の給料だって、おまえと大差ないんだよ。 月によっちゃあ、ゼロってこともあるんだよ。おせっかい親父、なんとか言ってくれんかね…

おせっかい親父 : そうじゃな… 両方ともごもっともじゃなぁ…

従業員・社長 : あのねぇ〜

おせっかい親父 : まあ、法的には、この第1条は労働憲章的な規定で、罰則もないんじゃよ。 なので、監督署に訴えても無理じゃね。

従業員 : じゃあ、泣き寝入りしろ、ってことですか? 超むかつく!

おせっかい親父 : 社長、たまには従業員の提案等を聞いたりしとるかね?

社長 : そんなもん聞いてたら、仕事にならん。

おせっかい親父 : それじゃあ、従業員のやる気につながらんと違うかね。 現場は従業員の方がよく 把握してるものなんじゃよ。 話を聞いてやれば、結構会社に役に立つ話もあったり、その結果売り上げが上がったり、コストが低減されたりすることもあるもんじゃよ。 そうすれば、給料で還元できたりするんじゃよ。

社長 : ほお、そんなもんかね…

従業員 : そうそう。 俺も、いろいろ提案したいことがあるんすよ。 社長。 今度、聞いてくれませんか?

社長 : んん。 わかった。 それで会社が儲かれば、大助かりかも知れんなぁ…

ってなわけで、半年後には従業員の提案により、会社の財務状況が大幅に改善され、結果、従業員の給料もアップしたのでした。
おせっかい親父、ありがとう!!

第2話

社長 : 今まで、1日の労働時間は7時間だったけど、労働基準法によれば8時間までOKとなってるよな。 来月からは、1日は8時間にするよ。 日給1万円は変わらないよ。 それでも、最低賃金は下回らないから、OKってわけだ。

従業員 : そりゃあ、ひどいっすよ。 労働基準法第1条第2項にも、『労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。』って書いてあるじゃないっすか。 1日6時間で1万5千円にして下さい。 監督署に訴えてやるぞ!

おせっかい親父 : ん。 確かに「労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならない」ってやつには抵触するね。 だけど、労働条件の向上は、努めること、ってことで、あまり強くは言えんな。 それと、ここでも罰則の適用がない… 社長、8時間にまで延ばしたい、ってのは、なにか理由があるのかい?

社長 : 最近、業務量が増えたんでね。 これからも、どうも更に増えそうなんだよ。

従業員 : 大分、売り上げも上がってるようじゃないですか。 お金が上がれば、8時間でもやりますよ。 俺。

おせっかい親父 : そういう理由があるんじゃ、交渉自体は可能じゃよ。

社長 : ほお、そうなのかい。 分かった。 1日8時間にする代わりに、給料アップも考えてみるかな…

従業員 : どんどん売り上げが上がって、給料も上がるんだったら、俺も頑張るよ。

ってなわけで、半年後には大幅な売上増を達成し、給料もばっちり上がったのでした。
おせっかい親父、ありがとう!!

後日談
8時間以上働きたい従業員とこれ以上仕事はしたくない社長(それよりも、ゴルフをしたい)との、新たな紛争の火種が発生したのでした。 やれやれ…

あるべき対応

とてもいい対応です。

今後の対策

労働トラブルの多くは、コミュニケーション不足から生じています。
日ごろから、コミュニケーションを大事にしたいものです。

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